本当に必要な検査
毎年たくさんの方が、病院等でドックを受けています。内容は、半日ドック、一日ドック、
一泊ドックなどコースが色々あり、さらにオプションもあります。
受けることで安心していますが、本当に充分でしょうか?
一番コストパフォーマンスの高い一日ドックの内容を検討します。
■重要性が高く、数年に一度は受ける必要のあるもの■
1.胃カメラは、胃がん発見のために必要です。
2.腹部超音波も、胆のうやすい臓の異常を見るのに必要です。
3.心電図や頬部レントゲンも同様に必要です。
4.マンモグラフィーまたは乳房の超音波は必要です。
5.大腸CTができるようになり、
検便と合わせスクリーニングが楽にできるようになりました。
■成人病の検査:主に血液検査■
1.ドックの血液検査は、糖尿病や高脂血症、高尿酸血症などの主に成人病の発見を目的に行
っています。
2.CEAやCA19−9などの腫瘍マーカー(癌検査)は、ほとんどがオプション扱いです。
(注意してください)
以上が、現在のドックで、これで十分かというと、不十分です。
以下の検査が、がんを含めて、ぜひしておきたい検査です。(毎年は必要ありません)
■知っておきたい大切な検査■
A.腫瘍マーカー等で、癌のスクリーニングがされていない。
CEA,CA19−9・・・・肺癌、胆のう癌、すい臓癌、胃がん、大腸癌、卵巣がん
などを調べる。
PSA・・・・・・・・・・・・・・前立腺癌
NSE,シフラ・・・・・・・喫煙に関係する肺癌
GAT・・・・・・・・・・・・・・卵巣がん、子宮頸がん
AFP,PIVKAU・・・・・肝臓がん
そのほか臓器・部位ごとに異なった検査を組み合わせます。
(ドックの目的の半分以上が、癌の予防を期待されている)
B.内分泌(特に放射能の影響が想定される甲状腺を)を調べていない。
原発事故後、甲状腺異常が増えており、痴呆やうつ病、貧血・更年期・高脂血症の原因
にもなります。
同様に女性では、鬱の原因である女性ホルモンを調べていない。
TSH、fT3、fT4、甲状腺抗体、サイログロブリン(以上甲状腺関連)FSH、
LH、エストラジオール(E2)(以上女性ホルモン)を調べるとわかります。
C.胃癌の原因であるピロリー菌感染(抗体)を調べていない。
ピロリー感染は、胃がん・胃潰瘍だけでなく、神経炎や血小板減少症湯いう病気を起こ
します。
D.リウマチ・膠原病を調べていない。
長寿になり、高齢者でも、膠原病・リウマチが増えており、腎炎、肺炎、神経炎、頭痛
関節痛を起こします。
リウマチ抗体(抗GAL、抗CCP抗体)や、自己抗体(ANA)を調べます。
甲状腺異常とともに認められることが多く、たとえば、関節リウマチ+橋本病(甲状腺
機能低下症)+シェーグレン症候群(膠原病で口渇やしびれ、腎炎を起こす)などは頻
繁にあります。
E.血液の病気を見ていない。
フェリチン(貯蔵鉄)やVEGF、IL2-レセプター抗体、免疫電気泳動などで、骨髄腫や
リンパ腫などは推定できます。
以上”私が考える”必要な血液検査で、当院の職員検診では行っています。