腎臓について 腎不全の症状 透析開始時期の判断

■腎臓の働き■


腎臓には主に次の働きがあります。

◆体でいらなくなった老廃物を尿中に排泄し、綺麗な血液にします。
◆体内の水分量が一定になるように尿の量を調節しています。
◆血液の電解質濃度(カリウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなど)を調節。
◆血液が酸性やアルカリ性に傾かないように調整します。
◆ホルモンをつくり血圧をコントロールし、赤血球をつくっています。
◆ビタミンDを活性化させて腸からカルシウムを吸収し、骨の形成に役立っています。
  上記の機能が低下したり働かなくなった状態を「腎不全」と言います。



■尿量の調整と血液成分の調整■


血液中の老廃物をろ過して尿を作るのは腎臓です。腎臓で尿のもとが作られますが、 1日に作られる尿の量は約180リットルと言われています。実際尿として排せつされるのは100分の1程度になってしまいますが、これは腎組織の皮質にある糸球体に続く尿細管を流れていくうちに、水分とそこに溶けている物質(タンパク質・糖分・ビタミン・ミネラルなど)の一部が再び血液に吸収される為に少なくなっていきます。吸収された物質の一部はもう一度尿細管から排せつ・分泌され尿の量は大幅に減ることになります。
腎臓は老廃物や取りすぎた物質を体外に捨てて、体に必要なものを適量だけ取り戻し、血液成分を一定にする役割を果たしています。



■腎不全の症状■


さまざまな原因により、腎臓の働きが不十分になった状態を腎不全といいます。急に腎臓の働きが低下する急性腎不全と、長い期間かけて徐々に腎臓の働きが低下していく慢性腎不全があります。

◆急性腎不全:治療により腎臓の働きの回復が望めます。
◆慢性腎不全:腎臓の働きの回復は望めません。

慢性腎不全の症状としては、体の中に老廃物が溜まり尿量に異常がみられたり、むくみ、高血圧などがあらわれます。腎不全が軽度な時期には、食事療法や薬物療法を行いますが、さらに進行し末期に至ると、透析あるいは腎臓移植が必要となります。



■透析開始時期の判断■


透析療法を始めるのは、尿毒症が現れる前(体の状態:むくみ、吐気、胸が苦しい、だるい、貧血、出血しやすい)、です。指標としては、血清中のクレアチニン濃度と尿素窒素(BUN)が重視されます。筋肉の代謝によってできるクレアチニンの血液中の濃度が、8mg/dl以上(正常値は成人男性1.4mg/dl以下、成人女性1.2mg/dl以下)になると透析を始める一つの目安とされます。
全身性浮腫(むくみ)、電解質異常や、下痢、嘔吐、食欲不振といった消化器症状、高血圧、貧血、視力障害、神経症状などの尿毒症の症状が強くなったり、日常の軽い作業にも困難を感じる場合は、検査値が目安より低くても透析療法が導入されます。


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